なぜ儲かる?
IPOの公募価格は、類似企業との利益水準比較や財務体質,成長性などを基に、主幹事を中心に妥当な株価を算出し、上場する会社の承認を得て決められます。
これから上場する会社にとって株価が安定的に高いのが望ましいため、上場初日から新たな公募株主(当選者)に損をさせるのは絶対に避けたいところです。
そのため、公募価格は算出された妥当な株価から5-20%低めの価格になることが多いといわれています。
初値が、妥当な株価に近くなるのであれば、公募組(当選者)の初値売りは5-20%の利益になるはずです。
しかし、実際の平均初値上昇率は、IPO投資が比較的人気が無かった時期でも30-50%、人気化している時期は100%(2倍)以上と、公募価格の設定だけではとても説明がつかないほどの高値です。
初値上昇率実績
2001 2002 2003 2004 2005 2006年
44% 35% 53% 101% 134% 77%
公募価格設定時のディスカウント以外の理由としては、
- 若くて小さな企業は成長性の設定(見込み)次第で、妥当な株価はいくらでも高くなる。(利益成長性が高ければPERが高くても割高ではない)
- 小さな企業ほど上場時の吸収資金や売り出される枚数が少なく、需給のアンバランスがおこりやすく、投機的な値動きになりやすい。
- どんなに小さな起業でも、上場日は注目を浴びるため人気化しやすい。
- 国策で個人投資家が急増している。(預貯金から株式,国債へ)
- 多数のネット証券設立と手数料値下げ競争激化によるデートレーダーの誕生
- 個人投資家のIPO投資への大挙参加
これがIPO投資(初値売り)が儲かる理由なのです。